仕事に役立つ必読本とその読み方

日経WOMAN編集長 麓 幸子
キャスター 池崎 美盤(6分29秒)

■就職や転職、昇進、後輩ができることをきっかけに悩みを抱えることがある。その時の解決法のひとつとして良い本を読むことがあると思う。■高くても1冊2000円以上することはまれだ。本にはヒントやアドバイスがたくさん詰まっているので、「お仕事本」を読むことを薦めたい。■「日経ウーマン」4月号では125冊の「お仕事本」を紹介している。「日経ウーマン」の読者は「お仕事本」が好きで、月平均2冊を読み、平均3504円のお金をかけている。■特集では様々な業界で活躍するプロフェッショナルや著名人に、仕事に役立つ本を挙げてもらった。

■作家でタレントの阿川佐和子さんが薦めてくれたのは4歳で視力を失ったエッセイスト・三宮麻由子さんの「鳥が教えてくれた空」という一冊。■厳然と立ちはだかる「目が見えないという現実」から、野鳥を通して解放されていく過程が描かれている。「鳥たちは百獣の王ライオンのように強いわけではない。料理にたとえればメインディッシュでもデザートでも前菜でもない。けれど鳥がもしこの世にいなかったら、どんなに味気ないだろう。鳥は神様の箸(はし)休め。私も箸休めのように生きていきたい」という文が書かれている。■本をあまり読まないという阿川さんはこの本を読んで感激し、生きる指針を見つけたという。

■老舗飲料メーカー、ホッピービバレッジ副社長の石渡美奈さんが薦めているのが中小企業のカリスマ、小山昇さんが書いた「仕事ができる人の心得」だ。全社員に持たせて、この本をテキストに勉強会を開いているほどだという。■このほか営業コンサルタントとして知られる和田裕美さんや伊勢丹の元カリスマバイヤーで福助の社長などを務めた藤巻幸夫さんら、「プロがいいと思っている本」を紹介している。特集では読む人の年代別や悩み別に本を分類して特集に掲載している。

■2人の著名人に知識や教養を身につけるための本との付き合い方を聞いた。コピーライターの糸井重里さんは面白いと思うことについてイモヅル式に本を読むこと、“王道”と呼ばれる名著を「今さら」と言われてもできるだけ読むことで教養が深まると言っている。■クリエーターの嶋浩一郎さんは、食べ物や日用品など身の回りのものから興味を持つこと、気になることには付箋を張り、1カ月後くらいに手帳に書き取って記憶すること、お気に入りの書店を持つことが知識を深める秘訣だと語ってくれた。

■大型書店は取り扱う本が多く、独自のブックフェアを開いたりする。欲しい本や関連書籍を見つけやすいというメリットがある。中小規模の書店はコンパクトにまとまっているため、自分の知らなかった面白い本を発見しやすい。■ネット書店は本を読んだユーザーの意見が読めるため参考になる。関心のある本を買った人の購入履歴がわかるので、読みたい本の関連書籍を見つけやすい。

日経ブロードバンドニュース http://www.nikkei.co.jp/bb/index.html