外貨準備高、1兆ドル突破・2月末−−ドル安で目減り懸念も

日本の外貨準備高が2月末に初めて1兆ドル(約103兆円)を突破したもようだ。1兆ドル超えは中国に次いで2カ国目。過去の大量の円売り・ドル買い介入で政府が抱えたドル資金が膨らんでいる。外貨準備は外国への支払いの備えになる半面、日本の場合は元手となる資金を政府短期証券で調達しているため、国の債務が拡大していることも示す。財政健全化に逆行するとの見方があるほか、ドル安が加速すると資産が目減りするリスクもある。 財務省によると、1月末時点の残高は9960億4400万ドル。7カ月連続で過去最高を更新中で、同省が7日発表する2月末時点の残高は初めて1兆ドルを超えたとみられる。 巨額の外貨準備高が積み上がったのは、政府・日銀が過去に円高を食い止めようと繰り返し実施した円売り・ドル買い介入が主因だ。なかでも2003年から04年春にかけて約35兆円の大規模介入を断続的に実施したことで残高は急増した。その後は市場介入をしていないものの、外貨を米国債などで運用しているため、運用益が積み上がり、残高が増え続けてきた。

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